いっぱいの木材
まだまだ足りない。
新築の手刻みのために運ばれる木材たち。
こんな感じで運ばれてくるんです。
この部材がすまいの骨組みになるんです。
その部材一つ一つが個性豊かで、ひとつとして同じものはなく、一本の木でも上の方とか、下の方とかでも違うんです。
また、この一本の木を半分に割いても、また違った曲がりが出てくるんです。
この木は、20年程前にたてられたすまいの柱として役目を担ってきた木材
20年もの間、壁の中ですまいを支えてきた木材
暑いとき、寒いときも、日が当たらなくても、しっかりとそこに立ち尽くし、すまいてさんを守ってきたんですね。
そんな木も、常に変化しています。
割れがありますが、これは、膨張、収縮を繰り返してきて入った割れなんだと思います。
そんな木材を再加工。
まずは、角(直角)を専用の機械で出していきます。
そこで、削れているところと、そうでないところが出てきます。
それはねじれているということ。
このねじれもでる木材もあれば、何年経ってもでない木もあるんです。
そして極端にねじれてどうにもならない木材もいるんです。
その力は、樹種によっても様々。
昔、よく使われていた「欅(けやき)」という木材は、その力がとても強く、また、くせ者だと、どうにもできず使い物にならないものまであります。
このねじれをある程度とれるまで、削ります。
このくらい削ったあとは、大まかな大きさに割いていきます。
これは使う大きさによっても、削り出す面を決めています。
そこで使うのが、この道具「帯鋸(おびのこ)」。
こちらで、大きめに割いていきます。
これがまた緊張する作業、ドキドキする作業なんです。
こんな感じに😁✨✨
写真のものはまだ素直なもの。
これが割いている側から閉じようとしてくることや、開こうとしてくることもあるんです。
どちらも加工のしづらさは、同じ位なのですが、危険度で言うと、閉じる方。
閉じてくると、刃を挟み込んでしまい、下手したら機械を止めてしまうほど。
木材は、その大きさで安定しているもの。
それを加工すると、バランスを崩し新たな変化、力が表に出てくるものなんです。
木の内側でも、さまざまな力のバランスで、成り立っているものなんです。
すまいの中にある木も、うちなる力は、しっかりとあり、それらが絶妙なバランスで形づくっているんです。
だからこそ、環境の変化で、形を変えてくるんだと思います。
と。無事に割き終わりの画像です。
一本の木でもこんなに奥が深く、一目でわかるものでも、コンピューターが判断するものでも、AIが勝手に考えてもらえるものでもないんです。
それが【木】なんですよね。
それがこんな風に組まれていき、骨組みとしてひとつのすまいになるんです。
それを大竹工務店として、基本仕様しております【手刻み】をしている理由のひとつ。
木は動くもの
木は個性豊かなもの
その木の個性を、ひとつひとつ吟味しながら、適所に配置する。
そして加工。
おさまったあとはすまいの一部、一員として、その他の【木】と力を合わせて、息をあわせて支えてもらう。
そんな想いを、【木】に伝えながら、手刻みを進めていくんです。
だからこそ、こだわって基本仕様にしています。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
大竹工務店 株式会社
大竹 俊光
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