この二本は性能の違う基礎の立上りに設置し、基礎と木材の構造とをつなぐ大切なボルトです。
大きいボルトと小さなボルトがあると思うのですが、大きいほうのボルトです。
手前のものと、その次のボルトの種類が違います。
違いは端部の形状です。
形状だけでなく、強さも違います。
ここでいう、必要とされる強さとは、短期許容引張耐力(kN)。
簡単に言うと、このボルトを引き抜こうとしたとき、どのくらいの力まで抜けませんか?どれだけすまいと基礎をつなぎとめてくれますか。という強さです。
その差
53.3 kN : 25.3 kN
2.1倍もの差があります。
すべてが強いものの必要はないと思いますが、構造計算で導き出され、必要な強さのもの、適したものを配置する必要があります。
基礎が出来上がってしまったら、確認することが難しくなるところに怖さを感じます。
正直、自分もこの形状のものを並べられても、どちらが強いのか、判断できません。
金物メーカーさんによる実験データがあり、そのデータを参考にしています。
今回は協力業者さんにお願いして、3本強い力のあるものを入れてもらいました。
右側の強いものは、本来は埋め込み長さは20cmほどですむのですが、職人さんの経験から、コンクリートを流すときの安定性を考慮して、深く埋め込みをしています。
建物は、細かな部品を入れると、1000以上が組みあがり、一つのものになる。
そして、それらがバランスよく、助け合いながら、長く持つ家になる。
数十年に一度の地震の時、このような金物や、木材などにより、すまいての命を守る。
一つの金物が強すぎて、木材を破壊してしまうこともあります。
実際、熊本地震の時は金物により、木材が割かれるいる写真も目にしました。
そういったことからも、使い方の工夫や、配置、使う種類なども、しっかりと検討する必要があります。
見えなくなるからこそ、そこにこだわり、一つ一つ選択し、納めています。