建て替えを選んだ理由〜解体工事

元自宅
解体前の自宅

 人生今年で40年

 

 小学生のころに見上げていた40歳の背中はもっと、大きくしっかりしていたような気がしますが、さあ自分がなってみるとまだまだ頼りなく、こんな40で大丈夫かな。と感じてしまいます。

 

そんな自分が生まれ育ったこの家。

 

大体築60年

・・・大体というのは、はっきりと着工、竣工の記録が残っていなかったこと。親に聞いてもいつだか覚えていなかったこと。などによります。

 

 

 使っている材料はとても大きくしっかりとしていて、瓦葺きでとてもどっしりと構えており、昔ながらの家といった印象でした。

 

 

そんな家を直して住むか、建て替えるかでは、とても悩みました。

 

 

 

*60年の歳月をこの場にあり続け、傾くこともなく、自分たちを守ってくれていた家

 

*先祖が必死に、時間を作り、加工し、仕上げてくれた家

 

*当時はお弟子さんも数名抱えていて、その方々の思いの詰まった家

 

*携わって頂いた方々の時間と、想いに溢れた家

 

まだまだ表し足りないくらいのとても大切な家。

建替えを考えた理由

○雨漏り

所々で雨漏りをしていました。

原因としては、瓦のズレ、壁と屋根とが交差するところ。屋根の納まりで風向きによって雨が入ってきてしまう。

玄関は鉄骨構造で、上にはバルコニーがあるのですが、コンクリートのヒビからの雨漏り。

 

 

 

**対策**

・瓦の葺替え+下地の交換(効果は○、費用は莫大)

・手のギリギリ届くところは、地道に板を張り、板金で塞ぐ(効果は△、費用は大)

・コーキング(効果は一年間は○、費用は少ない)

○シロアリ被害

表に現れてきていたシロアリ被害

 

湿気が強いところではなかったものの、多数シロアリに食われていました。

 

**対策**

・徹底的に調べ、被害部材の交換

・床下などのホウ酸処理

・基礎が布基礎と言って、土が出ていたので、床をそのままなら匍匐前進で、それか1F床を全部剥がし、その後でシロアリ対策に有効なシートをはり隙間を埋める。

○瓦の吹替時期がきていたこと

 瓦そのものはしっかりしていて、まだまだ現役ですが、その下の木材や、ルーフィングなどが劣化していて、瓦がズレてきていました。瓦のズレから雨漏りが発生。

 その屋根はとても複雑に納まっています。見た目はとても威厳を感じ、風格はあるのかもしれないのですが、それを葺き替えるとなると、とても費用がかかる。特に棟などの役物の多さも費用がかさむところ。

 

**対策**

・屋根の種類を変える。(費用は減るかな?くらいにしかならない)

・減築し、複雑な屋根を減らし、費用を抑える。

・費用を受け止め葺き直しをする。

○納まりの複雑さ

 玄関は鉄骨でできていて、上にはルーフバルコニー。コンクリートで納めており、屋根は元々はなかったので、ヒビからの雨漏り

 木造部分と鉄骨部分の複雑な納まり。地震時などの揺れの違いなどにより隙間ができてしまっていたこと。

 

**対策**

・玄関(鉄骨部)撤去

・減築等による複雑さを減らす。

・1F補強し、総二階に。

 ひとつ一つ丁寧に、検討、対策をしていけば、現状通りをあと100年でも、もたせることはできます。

 

これまでなら、雨、風がしのげて、見た目もいいもの、ガッチリとしたいい家、材料もいいものを使っているので、残したいところだったのですが、これからは、それらの項目+安心・安全で豊かな暮らしをつくり、さらに快適、省エネ、メンテナンス性などにも考慮が必要だと考えました。

 

それらを納めていくには、現状の対策ではまだまだ足りていません。

 

 

**プラスαの対策**

・気密

 隙間をなくすこと(気密シート、テープ、気密部材、コーキングなど様々な材料を用い、既存の凸凹の部分などでも丁寧に納める)

 

・断熱

断熱材を隙間なく入れる

・・屋根もしくは天井・・ 吹込み断熱、繊維系断熱の充填、付加断熱し屋根を二重など

・・壁・・ 柱の状態にして、充填。更に、柱の外側にも付加断熱など

・・床・・ 1F床を全部剥がし、下地を組み直し、断熱材を充填

 

・外周部の開口部交換

 まどを総入替。

 

・間取りを再構築

 今にあった間取り、動線などを考慮しながら配置、それらに伴い設備、電気工事が発生

 

・耐震性の向上

 耐力壁、床の強化。そして補強。

 

など新築同様かそれ以上に考え納める必要が出てきます。

 

それらを総合的に判断した結果、建替えを選択しました。

 

この答えは全てのパターンに当てはまるものではなく、この建物の形や、現状などを加味した結果です。

 

 

 

 そして決断しました。

 

 

 

しかし、さあ建替えと言って、協力業者さんに頼り解体を行ってもらうのは…。

 

 

 

先祖の技術

 

先祖の想い

 

先祖と向き合うため

 

元の家に携わっていただいた方々の想い、技術

 

などなど、自分たちの目で、作業の中で感じ取りたいと

 

更に、感謝を噛み締めて伝えるために、自分たちで解体することを選びました。

 

 

やり始めたら想像以上に大変!!!

 

 

 

作業をしながら感じたこと、新たな出会いと、感謝の気持など、これからまとめていきますので、読んでみてください。

大竹工務店 株式会社

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大竹工務店(株)は、茨城県、かすみがうら市に構え、温熱(高気密高断熱)、構造(許容応力度計算による耐震等級3)を核に、すまい(新築、リフォーム、リノベーション)を基本として創り、すまいてさんとしっかりと向き合いながら進めていきたいと想っている大工工務店です。