こんにちは。
大竹工務店・大竹 俊光です。
ただいま、木造住宅の骨組みである構造材の墨付け、加工・・手刻みをしております。
木材は一つとして同じものはありません。
個性豊かな材料です。
そんな木材の個性の曲がり(アテ)について書いてみました。
曲がり(アテ)
画像のように木は、まっすぐではありません。
いくら腕のいい大工が、まっすぐにしても、機械で加工したとしても、必ず出てきます。
それには、木の育ってきた環境に影響されます。
平坦な土地で育つのか、斜面に育つのか、方角はどちらに向いているのかなど様々あります。
材木の曲がりについては、斜面で育った木に多く出るとされています。
木が地に根を張り、必死に地面にしがみつこうとする際、内部に偏った強さが出てくるそうです。
これが『アテ』といわれることも。自分は曲がりといっていました。
そして、その曲がり『アテ』の具合を見るのに、曲がり(アテ)の少ない木を、素性の良い木。
反対に曲がり(アテ)の大きい木を、素性の悪い木といわれています。
フルオートのプレカットなどでは、素性の悪い木は入れない。曲がりの度合いも厳しく判断し、省かれてしまうそうです。
この曲がり(アテ)の度合いにもよりますが、手刻みではこの曲がり具合を見て、配置します。
曲がりを山型に使い、上からの重さに耐えてもらうように配置したり。
曲がりを下に向けて、その下から束を立て、床が浮かないようにしたり。
曲がり(アテ)を個性として、その木の個性が最大限生かせるように、考えて墨付け、刻みをしております。
曲がり(アテ)が大きく、ねじることも。
そういったときは長さを工夫することで、無駄なく使うことができます。
木材が育つのには、とても多くの時間がかかります。
そして温暖化の今、木材は二酸化炭素を吸収してくれるもの。
今後はさらに木材の存在感と、貴重な資源であることの認識がたかまってくると思います。
その貴重な資源を使わせてもらい、すまいをつくる責任として、無駄なく、長持ちするすまいを目指していきます。
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